2007.10「地域共生ホーム全国セミナーinとやま」報告 中村みほこ 稲城市議会議員
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2007 年 11 月 19 日    
2007.10「地域共生ホーム全国セミナーinとやま」報告
〜自分らしく、その人らしく暮らせる地域づくりを〜
2年ごとに開催されるこのセミナーには全国から多くの人が実践者の生の声を聞き、活動を見たいとやって来る。
小規模な民家等を利用して、身近な地域で赤ちゃんからお年寄りまで、障がいの有無・種別を問わず、誰もが一緒に過ごすデイサービスに、行政が高齢者と障がい者の縦割りをなくして補助金を出すというやり方を「富山型(共生)デイサービス」と呼んでいる。
国も2006年10月からは介護事業所で身体障がい者に加えて知的障がい者や障がい児の受け入れができるように規制緩和し、支援する自治体もでてきた。

―――本当のノーマライゼーションとは―――
「地域の人と一緒に生きていく。このゆびにとまった人はだれも排除しない」という理念のもと、1993年に始まった民営デイケアハウス「このゆびと〜まれ」の取組みは高齢者が子どもと、また障がい児が健常児と一緒に過ごすことの相乗効果を実証してきた。
ここでは知的障がいのかたも5人働いている。彼らのゆったり感がお年寄りに安心感を与えるという。代表の惣万佳代子さんは新しい形の福祉サービスを全国に発信し続けている。
現在県内には富山型(共生)デイサービスが52ヵ所あり、2015年までに日常生活圏域といわれる中学校区(1~2万人)に1ヵ所の設置を目指している。

―――だれもが本当に地域で暮らし続けられるのか?―――
自分の居場所やサポートを求める人達すべてを受け入れながらデイサービスからショートステイやグループホームへと、利用者や地域のニーズに応えるかたちで多機能になってきた。
富山市内の住宅街にある「このゆびと〜まれ」と「にぎやか」、商店街にある「おらとこ」を見学したが、それぞれに成り立ちや雰囲気は違っていても昔ながらの大家族的な空間があった。お年寄りがスタッフの子どもや孫を抱き、芋茎の皮を剥き、食後の食器を下げ、自分にできる役割をさりげなく果たしている姿があった。
地域にはいろんな人達がいる。互いの個性を受け入れ、認め合える関係性を築いていかなければ、だれでも受け入れる富山型(共生)ケアは実現できない。小規模で、地域に密着すればするほど“人と人とのつながり”が重要になってくる。自宅以外で、ケアする側・される側という関係ではなく、生活者として自然でいられる場・環境づくりが何よりも大切だと感じた。
実践者の熱い思いだけでできるほど生やさしい事業ではない。パートナーやスタッフの支えはもちろんのと、高齢者、障がい者、子どもを地域ぐるみで支えあうというコミュニティが形成されているのか、受け入れる近隣住民の意識も問われてくる。

―――ターミナルケア・看取り―――
利用者の高齢化に伴って避けて通れないのがターミナルである。本人と家族は最期をどこで迎えたいのか。多くの場合、本人の意思に関係なく、病院の白い壁と多くの機械に囲まれ死と戦い続け、亡くなって逝く。最期の時に家族がそばに居るとは限らない。家庭に一番近い慣れ親しんだ地域の中で、一緒に過ごしてきた人達のそばで静かにその時を迎えたいと、家族と本人が望むのであれば、デイケアハウスという選択肢があってもいい。そのためには医療機関との連携が欠かせない。主治医や嘱託医の協力体制が重要となってくる。

―――今後だれが介護を支えていくのか―――
介護保険制度導入から7年、全労働者の給与の平均と比較して低いために介護従事者の離職率約20%、質を担保するには介護報酬の見直しが急務だ。
これまで対象別の縦割り制度からはみ出すことを規制してきたが、制度のすき間を埋めるためにはもっと柔軟な福祉制度の活用も必要だ。今後「富山型デイサービス」を介護の選択肢の一つにするには、国や自治体が共生ケアをどう地域展開していくのか、その姿勢が問われてくる。
富山県では施設整備や職員研修等の支援に今年度3730万円の予算が組まれている。「法律に無い。前例が無い。金が無い」を盾に国の制度運用だけに振り回されていては、豊かさの本質は見えてこない。
行政が地域の課題を受けとめ、住民をどう支えていくのか。必要なサービスを的確に提供できてこそ地方分権と呼べるのだと思う。



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